2026 年 76 巻 2 号 p. 102-109
本研究は,わが国の女子大学生における口臭の有病状況と関連要因を検討することを目的とした.対象者は,医療福祉系大学の女子学部生131名である (平均年齢:19.1±1.4歳).口臭は,口臭測定機器を用いて,呼気中の揮発性硫化物であるメチルメルカプタン濃度を測定し,①口臭なし,②かすかな口臭,③明らかな口臭の3群に分類した.口腔乾燥は,口腔水分計を使用して,舌背中央部の口腔粘膜湿潤度を計測し,測定値27.0未満を口腔乾燥とした.舌苔は,Winkle Tongue Coating Index (WTCI) を用い,舌背を6 ブロックに分け,各ブロックの合計スコアを算出した.また,口臭の自覚状況,睡眠状況,メンタルヘルス,口腔保健行動を質問票で調査した.統計解析は,多項ロジスティック回帰分析を用いた.
口臭の自覚症状があると回答した者は34.4%であり,その中で5年以上の口臭を自覚する者が最も多かった.口臭検査により,軽度な口臭,明らかな口臭がみられた対象者の割合は,ともに12.2%であった.多項ロジスティック回帰分析の結果,口臭なし群を基準とした場合,明らかな口臭群では,舌苔スコア,25時以降の就寝が有意に関連していた (オッズ比=1.34; 95%信頼区間=1.01–1.78; p=0.041, オッズ比=4.90; 95%信頼区間=1.30–18.43; p=0.019).
本集団において,長期にわたり口臭を自覚する者が最も多く,舌苔付着量,および遅い就寝時刻が口臭の関連因子である可能性が示された.