2026 年 76 巻 2 号 p. 110-118
近年,「よく嚙まない」「丸飲み」などの幼児期の食べ方が問題視され,幼児期に好ましい食行動を身につけるための支援の必要性が望まれている.しかしながら,保護者が気になる食べ方がどのような要因と関連しているのかを示すエビデンスは十分ではない.本研究では,5歳児における気になる食べ方の現状と食事に対する保護者の配慮を調査し,両者がどのように関連するのかを明らかにすることを目的とした.幼稚園に通う5歳児62名の保護者を対象とし,現在の幼児の気になる食べ方や口呼吸に関する要因,食事に対する保護者の配慮について,22項目のアンケート調査を実施し,各項目間の関連について検討した.Spearman順位相関係数検定を用いて分析した結果,「偏食がない」は「硬い食品を取り入れる」「嚙み切って食べる食品を取り入れる」「食材を大きめにしている」と有意に関連した(それぞれ,r=0.386, p<0.01; r=0.294, p<0.05; r=0.299, p<0.05).また,「よく嚙まずに飲み込むことがない」は「硬い食品を取り入れる」や「嚙み切って食べる食品を取り入れる」と有意に関連した(それぞれ,r=0.310, p<0.05; r=0.252, p<0.05).さらに,「食事時の姿勢」や「食べることに集中」は,「硬い食品を取り入れる」と有意に関連した(それぞれ,r=0.403, p<0.01; r=0.411, p<0.01).以上の結果から,幼児の気になる食べ方は食事に対する保護者の配慮と関連することが示唆された.