2026 年 76 巻 3 号 p. 157-165
う蝕罹患型O2の基準の見直しに向けて,3歳児におけるう蝕の発症とリスク因子との関係を調べることを目的とした.A市の1歳6か月児歯科健康診査 (1.6健)と3歳児歯科健康診査(3健)を受診した幼児のうち,1.6健でう蝕がなく,データに欠損値のない幼児3,324名を分析対象とした.3健時のう蝕の有無を従属変数とし,性別,家族数,昼間の養育,母乳,ほ乳びんの使用,喫煙(母・父),仕上げ磨き,食事以外の飲食回数,フッ化物塗布の受診,指しゃぶり,生歯数を説明変数として,二項ロジスティック回帰分析を行った.う蝕の発症と有意な関連があったのは,オッズ比の高かった順に,祖父母による養育,母乳,食事以外の飲食回数,家族数,父の喫煙,母の喫煙,仕上げ磨き,および生歯数であった.上記8項目を用いて作成したROC曲線により,カットオフ値を求め,該当項目数が2以下と3以上で分けたところ,感度65.8%,特異度69.2%となった.今回,明らかとなったう蝕の発症のリスク因子は,う蝕罹患型O2の基準の見直しに貢献できる可能性がある.