2017 年 24 巻 2 号 p. 8-11
目的:粉砕を伴う上腕骨顆上骨折の手術成績を明らかにすること.
対象・方法:1988年から2014年までに当科で経験した上腕骨顆上骨折手術症例の145例中,第3骨片を有する粉砕症例22例を対象とした.受傷時平均年齢8歳,男児11例・女児11例,右6例・左16例,Gartland分類type 2が2例,type 3が20例であった.検討項目は手術手技,粉砕の位置,神経障害の有無,矯正損失の有無,Flynnの評価とした.
結果:鋼線固定の方法は大きく3種類あり,遠位内側・遠位外側からのクロスピンニングが12例(MC群),近位外側・遠位外側からのクロスピンニングが5例(LC群),遠位外側からのみのピンニングが5例(L群)であった.矯正損失はMC群で0例,LC群で1例,L群で3例であり,3群間で有意差を認めた.(P=0.015)
考察・結語:粉砕を伴う上腕骨顆上骨折に対してはクロスピンニングを考慮すべきであった.