日本肘関節学会雑誌
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III.神経
エコーガイド下神経剥離術が奏功した上腕骨顆上骨折に伴った橈骨神経麻痺の1例
琴浦 義浩藤原 靖大
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2018 年 25 巻 2 号 p. 202-204

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抄録

 はじめに:エコーガイド下神経剥離術が奏功した上腕骨顆上骨折に伴った橈骨神経麻痺の1例を経験したので報告する.

 症例:9歳男児.転落して左上腕骨顆上骨折を受傷し,同日に経皮ピンニング固定を行った.受傷時から認めた橈骨神経麻痺は受傷後2か月で改善傾向に乏しいことから,生理食塩水によるエコーガイド下神経剥離術を行った.術直後から手関節を背屈することができるようになり,受傷後3か月で完全に改善した.

 考察:小児上腕骨顆上骨折に合併する神経障害は12~20%と報告されている.多くは経過観察のみで回復するが,手術を要する場合もある.神経障害に対するエコーガイド下神経剥離術の有効性が報告されており,本症例も術直後に症状の改善傾向を示した.回復傾向に乏しく,またエコーにより障害部位を同定できる場合は,非侵襲的治療のひとつとして生理食塩水によるエコーガイド下神経剥離術を考慮してもよいと考えた.

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