日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
IV.スポーツ障害
2年以上経過観察しえた中学野球選手における肘関節超音波画像所見の変化と症状について
鈴木 昌大澤 一誉田鹿 佑太朗古屋 貫治西中 直也小原 賢司田村 将希
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2018 年 25 巻 2 号 p. 231-233

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抄録

 目的:中学野球選手の肘関節超音波所見と症状の変化を調査すること.対象および方法:2年以上検査が可能であった中学生41名を対象とし,初回検査時と最終検査時の画像所見の変化を調査した.肘痛既往の有無と経過中の肘痛発生の有無も調査した.

 結果:初回から最終検査時まで上腕骨小頭障害は認めなかった.初回検査時39名(95.1%)に内側障害を認め,10名(24.3%)は最終検査時に修復と判断される変化を認めなかった.肘痛既往は15名に,経過中の肘痛発生は14名に認められたが,統計学的検討では内側障害の有無と肘痛既往との関連は認めず,また内側障害の有無と肘痛発生との関連も認めなかった.結語:中学生では内側障害を認めた選手のうち24.3%が修復を得られなかった.しかし内側障害の有無と肘痛既往や肘痛発生との関連は認められず,疼痛の要因が身体機能と画像所見のどちらが主であるか慎重な判断が必要と考えられた.

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© 2018 日本肘関節学会
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