2018 年 25 巻 2 号 p. 265-267
目的:遠位上腕二頭筋腱不全断裂の2例を経験したので報告する.
症例:症例1:53歳男性.左前腕近位部痛が3週間持続し受診した.回外筋力低下およびMRIにて上腕二頭筋腱停止部の不整を認めた.二頭筋腱断裂を疑い前方展開で展開したが腱は連続していた.後方皮切で部分断裂を認め縫合した.術後6週で疼痛は消失し可動域制限を認めなかった.症例2:38歳男性.数か月前から肘窩部の疼痛が持続し受診した.回外・肘屈曲筋力軽度低下を認め,CT上橈骨結節部の骨棘とMRIにて上腕二頭筋腱停止部の不整を認め不全断裂と診断した.後方1皮切で展開し腱を切離し縫合した.術後6か月で軽度回内制限はあるが術前の疼痛は消失し筋力も改善した.
考察:遠位上腕二頭筋腱不全断裂は緩徐に発生し,典型的な症状はなく完全断裂と比較し診断に苦慮する.完全断裂に移行する前であれば,後方1皮切で小侵襲手術が可能で早期診断が必要と考えられた.