日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅲ. 外傷・外傷合併症
小児Monteggia骨折の治療経験
吉田 史郎吉田 健治坂井 健介松浦 充洋上野 智規高田 寛史
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 28 巻 2 号 p. 55-58

詳細
抄録

 小児Monteggia骨折51例を調査し本外傷に対する治療成績,治療法,合併症,術中観血的に腕橈関節の展開の有無を調査した.手術時平均年齢は平均7歳,経過観察期間は平均14.3か月であった.Bado分類 type I:II:IIIがそれぞれ27:2:22例で,その中で陳旧例は 4例で全例Bado 分類type Iであった.治療法は急性期はシーネ固定:11例 ,経皮的髄内単独固定:30例,髄内釘に鋼線による一時的関節追加固定:4例,プレ ート固定:2例で,陳旧例4例中3例には尺骨骨切り術を行った.急性期は全例治療法 ,骨折型に関わらず良好な成績が得られた.観血的脱臼整復術を行っていたのは51例中1例(1.9 %)のみであった.合併症として神経障害も6例にみられたが自然軽快した.本結果から急性期に腕橈関節の観血的整復はほとんど必要なかった.また骨折型および治療法による差はなかった.

著者関連情報
© 2021 日本肘関節学会
前の記事 次の記事
feedback
Top