日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅲ. 外傷・外傷合併症
上腕骨遠位部骨壊死に対し上腕骨小頭と滑車を肋骨骨軟骨移植で再建した1例
三好 祐史轉法輪 光島田 幸造
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2021 年 28 巻 2 号 p. 84-86

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抄録

 56歳男性.ステロイドパルス加療後にプレドニン内服を継続している.両肩・股・膝関節の骨壊死を発症し,人工関節手術歴がある.2 か月前から誘引なく右肘関節に軽度可動域制限,動作時痛,引っかかり感を自覚した.画像上,小頭から滑車外側部に及ぶ縦20mm ×横30mm の骨壊死像を認めた.壮年患者であり,関節再建術を選択した.骨壊死部を掻爬すると広範な骨軟骨欠損を認めた.第5,第6肋骨の2本から採取した肋骨骨軟骨柱を移植し関節面を再建した.術後1年で肘関節痛はなく,Mayo Elbow Performance Indexは100点のexcellentであった.画像上,骨の生着が得られ,関節面の適合性は良好である.広範な骨軟骨欠損を有する上腕骨遠位部壊死症例に対して,肋骨骨軟骨柱移植を行うことで関節面の再建と関節機能の再獲得が可能であった.

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© 2021 日本肘関節学会
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