抄録
成人橈骨頭・頚部粉砕骨折に対しての術後成績を報告する.対象は橈骨頭・頚部合併骨折,粉砕の定義は骨片が3つ以上あるものとした.症例は10例であり全例ロッキングプレートで固定した.骨癒合率は70%,最終時平均JOA-JES scoreは87.8点であった.偽関節の2例は,頚部に比較的広範囲な骨欠損を認めたため腸骨海綿骨移植を併用し骨片に対しても比較的良好な固定を行っていたにも関わらず,術後矯正損失やインプラント破損および骨片壊死にまで至っていた.その一方で,類似特徴を示す提示症例には内固定強度維持のために皮質骨付き腸骨海綿骨移植を併用した.結果,骨癒合は遷延していたのものの線維性癒合により矯正損失や骨片壊死は認めず,良好な肘関節機能を保っていた.粉砕例に対して内固定強度を維持することは,矯正損失や骨片壊死予防に重要であり,その工夫として皮質骨付き腸骨海綿骨移植の併用も一選択肢であると考えられた.