抄録
Kaplan進入法(K法)を用いた橈骨頭骨接合時に発生した後骨間神経(PIN)損傷について報告する.症例1はロードバイクで転倒してterrible triad injury(TTI)を受傷した33歳の男性で,橈骨頭のプレート固定を行ったが術直後からPIN麻痺が出現した. 診査 手術を施行したところ,PINは回外筋入口部付近で断裂しており神経移植を行った.術後2年で総指伸筋,長母指伸筋ともにMMTは5-まで回復した.症例2は42歳の男性で,仕事中に重機から転落しTTIを受傷した.橈骨頭のスクリュー固定を施行したが術後にPIN麻痺が発生した. 診査 手術にて回外筋内での断裂が確認されたため神経移植を行った.術後12か月で総指伸筋,長母指伸筋のMMTはそれぞれ5-,4に回復した.K法にはPIN損傷のリスクがあるため,剥離を遠位に進める場合はPINをあらかじめ同定しておくべきである.