抄録
【目的】われわれは投球障害肘の診断において上腕骨滑車部も積極的にエコーで評価している.大学野球選手における滑車部骨軟骨病変の有病率を報告する.【対象と方法】メディカルチェックを受けた大学野球部所属選手96 例 を対象とした.被験者を座位とし,投球側肩関節を軽度屈曲位で肘関節を最大屈曲させ,肘後面からリニアプローブを当て上腕骨滑車部を長軸像と短軸像で評価した.【結果】21 例(21.9%)の滑車部後内側に骨軟骨病変を認めた.【結語】野球選手の滑車部後内側に離断性骨軟骨炎が発生することが報告されており,同部には投球動作に伴う肘頭からの圧迫せん断力が加わることが推測される.同病変は単純X線像での診断が困難であり,CTやMRIで初めて指摘されることも多い.初診時やメディカルチェック時にエコーで上腕骨滑車部の骨軟骨病変も評価することで,より詳細な病態把握が可能であると考えられる.