抄録
変形性肘関節症に対してAnterocentral transbrachialis portal(経上腕筋前方ポータル)を用いた鏡視下関節授動術の治療成績を検討した.6か月以上の経過観察を行った26例26肘を対象とした.全例男性で手術時平均年齢は48.3歳であった.手術は全例仰臥位で行い,肘関節可動域は,術前後で伸展角度が-19.0 ± 9.4°から-7.0 ± 6.0°に,屈曲角度が107.4 ± 13.0°から124.8 ± 6.6°に改善した.JOA-JESスコアは術前64.9 ± 7.9点から術後86.1 ± 10.0点に, PREEスコアは術前41.1点から術後6.1点に改善した.前方ポータル作製による合併症は,術後一過性の外側前腕皮神経の知覚障害が1例1肘に認められたのみであった.経上腕筋前方ポータルは,鉤状突起や鉤状突起窩の処置を容易とする利便性の高いポータルである.