2025 年 32 巻 2 号 p. 232-235
20歳以下の肘部管症候群の臨床的特徴および手術成績を検討した.対象は2015~2023年に尺骨神経皮下前方移動術を施行した7例7肘で,平均年齢は18歳,観察期間は7.1か月であった.術前所見は全例に環指尺側および小指の感覚異常を認め,肘内側部痛は3例,尺骨神経前方亜脱臼は5例に認めた.電気生理学的異常は1例のみであった.術中所見は滑車上肘筋を2例,上腕三頭筋内側頭による弾発現象を1例で認めた.術後は6例で症状が消失し,1例に労作時の軽度残存症状を認めた.赤堀の予後評価基準では優6例,良1例であった.若年者の肘部管症候群は動的絞扼の関与が強く,診断には詳細な身体所見と動態評価が重要であり,尺骨神経皮下前方移動術は有効な治療法と考えられた.