2025 年 32 巻 2 号 p. 134-136
Monteggia脱臼骨折の合併症として後骨間神経麻痺はよく知られているが,前骨間神経麻痺の合併は稀である.14歳男児のMonteggia脱臼骨折に前骨間神経麻痺を合併した1例を経験したので報告する.患者は転倒した際に右上肢に自身と友人の2人分の体重がかかって受傷し,右前腕の腫脹と変形を主訴に受診した.また掌側には開放創を伴っていた.画像検査にてMonteggia脱臼骨折Bado分類Type Iを認め,受傷3日目にプレートを用いた観血的整復固定術を施行した.手術翌日に前骨間神経麻痺合併が判明したが,術前すでに発症していたことが本人より聴取されたため経過観察を行なったところ,術後2週から回復傾向が見られ始め,術後12週で麻痺は完全に回復した.前骨間神経は牽引損傷に対し脆弱な神経とされている.Monteggia脱臼骨折の診療に際し前骨間神経麻痺を伴う可能性を念頭に置くことが重要である.