2018 年 11 巻 2 号 p. 47-49
私たちは光に満たされた空間で生活しており,影も生活空間からは切り離せないものとなっている.本稿では影から抽出可能な情報の一側面について検討を行うために,太陽光を利用して,球体の影を被験者に観察させ,被験者の申告値と輝度分布を比較することで,投影面と球体の距離の変化が知覚と物理量の関係に及ぼす影響を検証する実験を行なった.その結果,半影部の輝度勾配を周辺部の輝度で除した値が,被験者の距離の申告値と最も高い相関が得られた.これを言い換えると,[本影部と周辺部の輝度対比]を[半影部の幅]で除した値が,距離の知覚と関係している可能性を示唆している.