生態心理学研究
Online ISSN : 2434-012X
Print ISSN : 1349-0443
日本生態心理学会第8回大会 オープンフォーラム
津軽三味線の叩き課題における打圧データの熟練度比較
梛木 功介谷貝 祐介古山 宣洋
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 13 巻 1 号 p. 37-40

詳細
抄録

 津軽三味線は,三本の弦を備える弦楽器の一種だが,打楽器的な奏法が用いられることに特徴がある.弦を弾きつつ打面を叩くという独特な制約が課される課題では,熟達によってどのような違いが見られるだろうか.本研究では,3つの熟練度の参加者(初心者,中級者,熟練者)が,二つの要因(テンポ:90bpm120bpm150bpm,弦:一の糸,三の糸)を組み合わせた叩き課題に参加した.打面に設置した圧力センサから得られたデータについて,各打の開始点から終了点までの時間幅(接触時間)について検討した.分析の結果,熟練度によって接触時間の傾向が分かれ,初心者では制約によって接触時間が左右される傾向が,熟練者では制約によらず接触時間が一貫する傾向が,中級者では熟練者的特徴,初心者的特徴,熟練者と初心者の中間的特徴の三つの特徴が条件によって変化して現れる傾向が見られた.津軽三味線叩き動作において打圧データの特性が重要な意味を有することが示唆された.

著者関連情報
© 2021 日本生態心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top