2021 年 13 巻 1 号 p. 41-43
本研究では,2 名の乳児の歩行開始前後の日常生活を観察し,物との関わり方の変化について検討した.歩行開始前と比べるとそれ以降は,物と関わる行為の出現頻度,複数の物を組み合わせる行為,運搬が増加した.これらを踏まえ,複数の物を組み合わせた事例の検討を行った.事例の検討より,乳児向けのおもちゃや本だけでなく,日常生活で使用される様々な物と乳児は関わることが示された.また,歩行開始直後の1歳台の乳児でも,物を拭く,容器に出し入れする,ある物で他の物を操作するといった行為を行っていることが分かった.歩行開始期の乳児の物の操作の発達,発達を取り巻く環境について議論を行った.