2016 年 9 巻 1 号 p. 61-64
本稿の目的は,マイクロスリップとアクションスリップを統一的に記述・分類し,両者の相違点について検討することであった.そのため,スリップを含む行為を動作系列として記述する方法を提案した.また,その記述方法を使って記述したスリップを修復モデルの 3 つの観点(修復対象,非流暢,修復)からタイプ分けした.さらに,マイクロスリップとアクションスリップを統一的に記述・分類することで明らかになった両者の相違点についても検討した.その結果,マイクロスリップは単にアクションスリップがマイクロなレベルで生じているだけではなく,両者には本質的な違いがあることが推察された.