2020 年 20 巻 01 号 p. 320-335
本研究は,小学校英語教育(外国語活動)に携わる小学校現職英語担当教員(近畿地区A県の小学校に勤務する,現職経験3 年以上の正規採用小学校教員)を対象に,英語の発音向上支援プログラム(1 回あたり8 時間,計2 回16 時間の集中授業)への受講機会から,英語の発音と指導への意識,実態を,(1) 意識調査,(2) 音声調査(発音評価)により明らかにしようとする試みである。意識調査から,小学校英語担当教員の,英語の発音力・音声指導力向上への高い意欲・関心が明らかになった一方で,みずからの学習経験・実践経験を拠り所とした英語の発音力・音声指導力向上への努力には限界があることを訴える現状が明らかになった。音声調査(発音評価)から,教室での音声指導の基盤となる小学校英語担当教員の英語の発音については,個別の課題はあるものの,受講当初から個人間の発音の開き(分散)が比較的小さく,英語の発音の向上の様子が明らかになった。