データに基づいて判断・行動することをデータ駆動と呼び,この手法を英語教育に取り入れた学習方法をDDL(data-driven learning:データ駆動型学習,以下DDL)と呼ぶ。DDL では,学習者が多様な言語データ(コーパス)に触れ,英語の規則に気づいてそれを学ぶ。本研究では,国内外で授業実践が広がるなか,初等教育段階での実践が進んでいないDDL に着目し,小学生のためのデータ駆動型英語学習支援サイト(以下DDL 支援サイト)を開発し,公開した。本支援サイトでは,学習する文法項目をCAN-DO の形で示しているため,児童は英語を使う実際の場面と英語の文構造を結び付けて学べる。また,主語の種類,動詞の種類,文の種類で検索条件を絞り込んで英文を調べることができる。授業においては,意味伝達を重視する暗示的指導に,DDL による明示的指導を組み合わせることで,児童の注意を英語の文構造に向けさせ,気づきを引き出すことができる。公開されたDDL 支援サイトは,小学生が使いやすいユーザーフレンドリーな検索ツールを搭載していること,小学生に適したレベルの語彙と文法項目を扱っていることが確認された。また,本DDL 支援サイトは,平成 29 年告示の『小学校学習指導要領』に対応しており,コンピュータやタブレット型端末でアクセスして,誰でも,自由に,無料で利用できる。