長野県の中信地方において,仏事の料理として出される特別な和菓子が「のりまん」である。本研究では,「のりまん」の特徴や現状を,文献調査や電話調査,聞き取り調査を通して明らかにし,その食文化の継承の課題について明らかにすることを目的として行った。
その結果,「のりまん」は,3から7個の餡入り饅頭を海苔で巻いた和菓子であり,大町市から塩尻市にわたる安曇野地域で葬儀や法事の際に,使用されてきたことが分かった。「のりまん」は,家庭や斎場で使用されるときに,主には和菓子店に注文して100年以上くらい前から使用されてきたことが分かった。
「のりまん」の食文化継承の深刻な課題は,葬儀や法事の簡略化による「のりまん」の需要低下である。その解決策としては,「のりまん」の伝統を守る努力をすることである。