抄録
住宅建築において非木質系建築資材は国内メーカー数社に寡占されており, 海外メーカー品はほとんど使われていない。実証は困難であるが,一般に寡占では価格が高止まりするといわれている。本研究では,非木質系建築資材価格と製材品価格の関係を分析することで,非木質系建築資材価格が高止まりすることの効果を検討する。また,工務店へのインタビューによって,非木質系建築資材の海外メーカー品の利用が進んでいない理由を議論する。分析の結果は以下の通りである。(1) 生コンクリート,アルミニウムサッシ,タイル,および金属製流し台セットの価格が下がると,製材品価格は上昇する傾向にある。(2) 海外メーカーの非木質系建築資材が使用されていない理由には,輸入手数料や納期の不確実性といった市場構造的課題もある一方,日本産業規格を海外事業者が取得しにくいといった制度的課題もある。市場構造的課題の解決は民間主体となるが,制度的課題は政策によって解決できよう。海外メーカー品の利用可能性を高め,国内メーカーの寡占度を下げる道筋をつけることは,重要な林業政策であると考えられる。