2016 年 13 巻 1 号 p. 117-120
【背景】リングペッサリーは骨盤臓器脱の有用な保存療法であるが、長期挿入による膣内のびらんや出血などの合併症が問題となる。合併症の予防のための定期的な自己着脱の標準的な指導方法はなく、指導を行っている医療機関は本邦では少ない。
【目的】継続的なペッサリー自己着脱にはどのような支援が必要であるかを検討するために、自己着脱を行っている患者が必要な知識や技術、認識を明らかにする。
【対象と方法】ペッサリーの自己着脱指導を受けた中高齢女性患者のうち同意の得られた8名を対象とした。個別にインタビューを行い、質的手法を用いて内容分析を行なった。
【結果】患者がペッサリーの自己着脱を選択した理由では、過去に装着を続けて膣内のびらんや出血、痛みや違和感、繰り返す脱落など、継続使用が困難な体験が含まれた。指導開始時には自己着脱に何らかの不安を感じていた。指導後の実施では、思ったよりも抵抗がなく、簡単に行なえた、痛み等がないことなどが、自己着脱を行う気持ちにつながっていた。着脱時の姿勢や取り出し方について個人の生活や体位に応じた工夫を促し、自宅ではイメージ通りに行なえたという意見が聞かれた。日常生活においては、排便や怒責時の対応、洗浄や管理方法などの指導内容が役立っており、自分のペースや考えにあわせて使用して、継続的に疑問を確認できる外来体制を望んでいた。
【結論】自己着脱を主体的に行なうためには、個別状況に応じた着脱方法や、日常生活指導と、フォローアップできる体制づくりが必要である。