2016 年 13 巻 1 号 p. 121-125
【目的】POP患者に対しペッサリーの自己着脱を行うことが、患者QOLに対し与える影響について調査する。
【対象と方法】当院でペッサリーによる保存的治療を行っている外来患者のうち、自己着脱指導を行っている患者49名(SC群)と医師主導による管理を継続している患者42名(HC群)を対象とした。患者のペッサリー使用によるQOL評価ならびに合併症について2群を比較検討した。除外基準は設けなかった。QOL評価にはSF-36質問票を用いた。
【結果】身体的健康度尺度、精神的健康度尺度ともに有意に自己着脱を行っている患者で高い結果であった。また、国民標準値と比較すると、自己着脱を行っている患者では70代日本女性の身体健康度および精神健康度のそれぞれの尺度が同じ程度であった。SC群はHC群に比して腟内のびらん発生率が減少した。
【まとめ】ペッサリーは自己着脱させることによってPOP患者のQOLを向上させる可能性がある。