日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: E3
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学術講演集原稿
魚梁瀬「天然」スギ林の間伐後の成長
*酒井 敦大谷 達也米田 令仁内山 憲太郎木村 恵
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抄録

高知県馬路村魚梁瀬地域の天然スギは古くから持続的に利用されてきたが、資源が枯渇してきたことから平成29年9月の伐採を最後に、事業としての伐採は休止された。魚梁瀬「天然」スギ林は天然林に人の営みが加味されたものであるが、どのような施業によって維持されてきたのか不明な点が多い。著者らは「天然」スギ林の伐根の年輪解析や遺伝構造解析から、新しい個体群が30年~70年の周期で加入してきたことや、個体群が実生由来である可能性が高いことを明らかにしてきた。今回の発表では、スギ林の間伐後の成長について報告する。平成24年12月に安芸森林管理署大戸山国有林においてDBH 90cm以上のスギ68本が伐採された。ここに1.4 haの調査区を設定し、DBH 10cm以上の立木の胸高直径測定を行い、3成長期経過後再度測定した。最初の調査では37樹種749本ha-1の立木が確認され、スギの立木密度は153本ha-1だった。スギの胸高断面積合計(BA)は56.0 m2ha-1で、調査区全体の73%を占めていた。伐採後スギは11本が枯死したが、BAは56.0から56.9 m2ha-1に増加し、年平均成長率は0.5%だった。このことから、魚梁瀬スギ「天然」林は間伐後も旺盛な成長をしているといえる。

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