近年技術の進歩に伴って,GNSSによる斜面上の変位の計測が頻繁に実施されるようになった。だがその適用は,大規模斜面や地すべりに限られ,表層崩壊の発生が想定される小規模斜面への適用は非常に少ない。本報告では小規模な斜面の変位計測へのRTK-GNSSの適用性を検討するために,高さ約10mの自然斜面にRTK-GNSSのアンテナと,二次元方向の変位の計測が可能な変位計を設置し,斜面を多段階に掘削することによって生じる変位の計測を行った。その結果崩壊直前のRTK-GNSSによる計測変位は,変位計による計測変位の挙動と同様な傾向を示した。しかしGNSSによる計測変位は,崩壊直前にも小さな増減を繰り返すこと,崩壊直前の計測変位の急増が見られず,崩壊時の変位が変位計によるものより小さかった。これらの課題を解決し,GNSSの小規模斜面の変位計測への適用性を高める必要がある。