地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
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茨城県神栖市で起きた有機ヒ素化合物による地下水汚染の実態解明
渡辺 俊一江種 伸之平田 健正横山 尚秀山里 洋介森田 昌敏
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2010 年 5 巻 1 号 p. 147-157

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抄録
本稿では,2003年3月に茨城県神栖市で発生した有機ヒ素化合物による地下水汚染の実態について報告する。汚染物質となった有機ヒ素化合物はジフェニルアルシン酸である。汚染地域で実施した野外調査では,ジフェニルアルシン酸は主に帯水層深部から検出された。しかし,汚染の発端となった飲用井戸の南東90m付近の人工的に埋め戻された浅層地盤からは,ジフェニルアルシン酸を高濃度に含むコンクリート様の塊が発見され,これが汚染源と推察された。また,地下水の汚染は汚染源から約3km離れた下流地区まで拡がっていることが確認された。
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© 2010 公益社団法人 地盤工学会
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