地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
ISSN-L : 1880-6341
論文(特集号論文)
グラウンドアンカー自由長部における摩擦損失
田久 勉下田 薫川崎 廣貴田村 武
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2010 年 5 巻 2 号 p. 281-291

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抄録

高速道路の建設中に発生した地すべりは,その後の詳細な調査の結果,移動土塊量が280万m3に達する大規模地すべりであることが判明した。その対策工として施工したグラウンドアンカー工は,アンカー長,アンカー本数ともに国内最大級の規模となった。この長尺グラウンドアンカー工における最大の技術的課題は,アンカー自由長部でシースとテンドンに摩擦が生じアンカー力が低減され,期待する抑止効果が得られなくなることであった。そこで,自由長部における摩擦損失を直接的に把握するために,テンドンにひずみ計を設置し多サイクル方式で載荷する試験を事前に行なった結果,一般に用いられる算出式から求まる値よりも大きな摩擦損失量を確認した。また実施工においては,定着前に複数サイクルの載荷を行なうことで,この摩擦損失を低減する効果を確認した。

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© 2010 公益社団法人 地盤工学会
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