日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第45回日本家庭科教育学会大会
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児童文学書『ヨーンじいちゃん』の高齢者理解を深める教材としての効果
—高校生の感想文調査から—
宍戸 加奈子佐々木 貴子
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p. 31

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抄録
[目的]わが国は高齢社会を迎え、家庭科教育においては高齢者に対する理解を深める授業展開が求められている。吉原1)は児童文学書『ヨーンじいちゃん』を教材にするならば、高齢者について多くのことを学び、多方面に発展することができるだろうと述べている。本研究では、『ヨーンじいちゃん』の高齢者理解を深める教材として効果を検証することを目的とした。
[方法]北海道立K高等学校3年生男子75名、女子44名の計119名を対象として、平成13年4月∼7月に『ヨーンじいちゃん』の感想文調査を実施した。感想文の文章を書き上げ、KJ法を用いて記述内容をカテゴリーに分類した。これをもとに高齢者理解の教材としての効果を分析·検討した。
[結果](1)物語自体のおもしろさに興味を持つ者が多かった。(2)高齢者の性格や行動については読書前に有していたマイナスイメージがプラスに変容し、日常生活の仕方についても認識を改めていた。(3)高齢者の恋愛については好意的で、老いや死については悲しいことだが仕方ないことと受け止めていた。(4)祖父母に自分がどう接しているかの振り返りがみられた。(5)登場人物の家族を自分の家族に置き換え、祖父母の介護や接し方について考えられていた。(6)約6割の生徒が本を読んだことは高齢者を理解する上で「役だった」と回答しており、高齢者理解を深める教材として効果的であることがわかった。1)『家庭科教育』臨時増刊66巻14号(1992)
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© 2002日本家庭科教育学会
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