日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第46回日本家庭科教育学会大会
セッションID: 60
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第46回大会ポスターセッション
地域通貨;学校教育場面における教材化の提案
高橋 桂子
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抄録
【目的】 わが国は高齢社会に突入してすでに5年経ち,2002年の高齢化率は18.6%となった。同居率の低下に伴い,単身もしくは夫婦世帯のみの高齢者世帯数が増加傾向にある。要介護状態になる確率は後期高齢層では高くなるものの,65歳以上高齢者における圧倒的多数の日常生活は,自立もしくは要支援と元気である。この肉体的に健康な高齢者たちを精神的にも健康に過ごせるよう,地域生活に密着し,生きがい・充実感をもって日常生活を送り,かつ,誰もが他人の役に立てる場が与えられる仕組みの1つに「地域通貨」がある。現在,200以上の地域・グループで地域通貨が流通している。 地域通貨を実際に使用することはしかしながら,これら目的の他に,21世紀を担う次世代たちに必要な視点である無償労働や貨幣万能主義とでも形容できる現代の行き過ぎた資本主義への警告・気づきの醸成など,大きな可能性を秘めていると考える。 地域通貨の使われ方の現状,導入の経緯やサービス交換の実態などについてみた上で,地域通貨の学校教育現場における教材化について提案する。
【方法】・ ヒアリング調査(東京・多摩地区;「COMO」,千葉・千葉市;「ピーナッツ」,新潟・直江津地区市;「だすけ」など) 
【結果】 
現状) 日本には現在,200 以上の地域・グループで地域通貨が流通している。北海道栗山町の「クリン」,滋賀県草津市の「おうみ」,大分県湯布院町の「yufu」などが全国的に有名である。 
導入の経緯) コミュニティのつながりの希薄化,ニュータウンに生活する高齢者を地域に取り込もう(「COMO」),顔の見える地域をつくろう,商店街を活性化しよう「ピーナッツ」,地域を元気にしよう「だすけ」など。 
特徴) 法定通貨(円)と異なり,貯蓄機能が付与されておらず利子は付かない。換言すれば,利用されてこそ初めて価値が顕在化する通貨である。有効期限1年と設定している地域・グループもある。 
仕組み) 趣旨に賛同した個人が事務局に登録する。そこで,自分が出来ること,してほしいことを記入。コーディネーターを抱えた団体ではコーディネーターが,いない団体では HP,会報などで情報を伝える。「ピーナッツ」ではサービスが交換された後に「アミーゴ」といって握手する。 
サービス交換の実態) 年に数回,高齢者に話を聞こうという小学生の探検隊が結成(「COMO」),して欲しいことは沢山あるが,他人にしてあげれあれることはないといっていた高齢者が,してあげることを記入(「だすけ」) 
学校現場における教材化) 参考教材:財団法人 さわやか福祉財団「地域通貨ゲームキット」など
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© 2003 日本家庭科教育学会
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