日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第57回大会・2014例会
セッションID: P11
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第57回大会:ポスター発表
市民と大学生を対象とした食生活内容の“有用性”と“期待”
*志村 結美日景 弥生青木 香保里
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キーワード: 食生活, 有用性, 期待
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抄録
【はじめに】
 子どもたちの生活技能や家庭の教育力の低下により、家庭科の学習効果を高めるためには現行の時間数では不十分である。また、食生活などに関する生活技能は生涯にわたって必要なものであり、それらは家庭科教育で教えている内容が多い。そこで、本研究では家庭科教育を修了した市民と大学生を対象に、今後の食生活学習内容について検討するために、現在の学習内容について、その学習内容の有用性と期待を明らかにすることを目的とした。
【方法】
1.調査時期および調査対象 2013年9月~11月に実施した。対象は、あるイベントに参加した市民63名(30~70歳代)と、一人暮らしの大学生(概ね20歳)123名とした。
2・調査内容および方法 アンケート調査によった。調査項目は、生活実態・調理の技能や学習経験・家庭科の学習に関する「有用性(生活の中で役に立っているか)」と「期待(もっと学びたかったか)」に関する9項目とした。各調査項目における「有用性」と「期待」をはかるために、「生活の役に立っている」や「もっと学びたかった」割合が高い順に9点から1点を与え、同じ割合は同点とした。
【結果および考察】
1.「有用性」  市民の有用性は、「基本的な調理技能」9点(70.0%)、「栄養素の体の中でのはたらき」・「食品の安全性」は8点(44.0%)、「食品の栄養的特徴」6点(42.0%)、「食品の保存方法」5点(40.0%)、「食品の選び方・買い方」4点(38.0%)、「食生活文化」3点(32.0%)、「献立の立て方」2点(30.0%)、「食品摂取量の目安」1点(26.0%)の順で高くなった。大学生では、「基本的な調理技能」9点(74.8%)、「食品の栄養的特徴」8点(48.0%)、「栄養素の体の中でのはたらき」7点(44.7%)、「食品の選び方・買い方」6点(37.4%)、「食品の保存方法」5点(34.1%)、「食品の安全性」4点(30.1%)、「献立の立て方」3点(23.6%)、「食生活文化」2点(20.3%)、「食品摂取量の目安」1点(17.1%)の順で高くなった。有用性の総ポイントは市民366.0、大学生330.1、平均ポイントは市民40.7、大学生36.7となり、市民の方が高くなった。
2.「期待」  市民の「期待」は、「食品の栄養的特徴」9点(26.0%)、「食品摂取量の目安」・「献立の立て方」・「食品の選び方・買い方」・「食品の保存方法」・「食品の安全性」の5項目は8点(22.0%)、「食生活文化」3点(18.0%)、「基本的な調理技能」2点(12.0%)、「栄養素の体の中でのはたらき」1点(10.0%)の順で高くなった。大学生では、「食品の保存方法」9点(36.6%)、「基本的な調理技能」8点(35.0%)、「食品の栄養的特徴」・「食品の選び方・買い方」は7点(26.0%)、「栄養素の体の中でのはたらき」・「食品の安全性」・「献立の立て方」は5点(19.5%)、「食品摂取量の目安」2点(18.7%)、「食生活文化」1点(10.6%)の順で高くなった。「期待」の総ポイントは市民176.0、大学生219.6、平均ポイントは市民19.6、大学生24.4となり、大学生の方が市民より高くなった。これには、両者の生活経験の違いが影響したと考えられる。
3.食生活学習の充足の度合い 市民と大学生の「期待」の合計点から「有用性」の合計点を引き、その得点差を「学習の充足の度合い」とした。その結果、「食品摂取量の目安」8点、「食品の保存方法」7点、「献立の立て方」6点、「食品の選び方・買い方」5点、「食品の栄養的特徴」2点、「食品の安全性」1点、「食生活文化」―1点、「基本的な調理技能」―8点、「栄養素の体の中でのはたらき」-9点となった。これより、得点差がマイナスの項目は「現在の学習で充足されている内容」、0から+2の項目は「もう少し学習が必要である内容」、それ以上の点数の項目は「もっと学習が必要である内容」と考えた。
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© 2014 日本家庭科教育学会
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