日本家政学会誌
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誘導型シクロオキシゲナーゼ発現抑制を指標にした植物油の機能性評価
堀田 真理子中田 理恵子井上 裕康
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2008 年 59 巻 6 号 p. 373-378

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抄録

誘導型シクロオキシゲナーゼ(COX-2)はプロスタグランジン産生の律速酵素で、非ステロイド性抗炎症薬の標的として知られている。最近COX-2は炎症だけでなく、発癌や生活習慣病にも関与していることがわかってきた。我々はCOX-2の発現制御機構について研究を続けており、ブドウに含まれるレスベラトロール6)などの植物由来化学成分がCOX-2発現を抑制することを報告してきた。今回、血管内皮細胞にヒトCOX-2プロモーターを持つルシフェラーゼレポーターベクターを導入するアッセイ系を用いて、21種類の植物油について、COX-2遺伝子発現抑制効果を指標にした機能性評価を行った。その結果、抑制効果の強い順に、オリガヌム油(65%)、チョウジ油(40%)、バラ油(30%)、ユーカリ油(25%)、ウイキョウ油(22%)、ベルガモット油(21%)がCOX-2発現を抑制することを見出した。したがって、これらの植物油の新しい機能性として、COX-2発現抑制効果があること、この評価系が新たな有用成分の同定に使用可能であることが示唆された。

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© 2008 一般社団法人 日本家政学会
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