日本家政学会誌
Online ISSN : 1882-0352
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59 巻, 6 号
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報文
  • 金子 省子, 青野 篤子
    2008 年 59 巻 6 号 p. 363-372
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/29
    ジャーナル フリー
    This study aims to clarify to what extent those directly concerned with the education at child-care facilities are aware of the state of affairs at their respective place of work with a view to helping improve for nursery schools and kindergartens to implement some necessary measures from the gender viewpoint. An investigation covering 38 nursery schools and 34 kindergartens shows that the gender distinction as to equipment and other considerations was generally more evident in kindergartens than in nursery schools. A questionnaire to the staff of five day-care centers helped clarify further the actual conditions of gender considerations as well as the staff members' gender viewpoint. Generally, it was learned that the gender division as well as its extent was left to the management' decision. Of 47 respondents, most expressed their views against the gender division. However, those who had learned about gender issues believed that there was a need of attending to the issue. In fact, there were some reported cases of having changed the status quo by talking among the staff members. It is to be noted that there exists a difference of view among them as far as gender distinction is concerned; the views are split even among those working at the same place. So much so that there is a need for those directly concerned with the child education to get together to improve the subject matter.
  • 堀田 真理子, 中田 理恵子, 井上 裕康
    2008 年 59 巻 6 号 p. 373-378
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/29
    ジャーナル フリー
    誘導型シクロオキシゲナーゼ(COX-2)はプロスタグランジン産生の律速酵素で、非ステロイド性抗炎症薬の標的として知られている。最近COX-2は炎症だけでなく、発癌や生活習慣病にも関与していることがわかってきた。我々はCOX-2の発現制御機構について研究を続けており、ブドウに含まれるレスベラトロール6)などの植物由来化学成分がCOX-2発現を抑制することを報告してきた。今回、血管内皮細胞にヒトCOX-2プロモーターを持つルシフェラーゼレポーターベクターを導入するアッセイ系を用いて、21種類の植物油について、COX-2遺伝子発現抑制効果を指標にした機能性評価を行った。その結果、抑制効果の強い順に、オリガヌム油(65%)、チョウジ油(40%)、バラ油(30%)、ユーカリ油(25%)、ウイキョウ油(22%)、ベルガモット油(21%)がCOX-2発現を抑制することを見出した。したがって、これらの植物油の新しい機能性として、COX-2発現抑制効果があること、この評価系が新たな有用成分の同定に使用可能であることが示唆された。
  • 森 俊夫, 淺海 真弓
    2008 年 59 巻 6 号 p. 379-386
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/29
    ジャーナル フリー
    RGB色空間を利用した色彩特徴解析が色彩や形態情報を含む10種類の布の色彩テクスチャの特徴づけに適用された。カラースキャナから取り込まれた布に対するRGBカラー画像の輝度分布から統計的に抽出された平均(AVE)、分散(VAR)、角二次モーメント(ASM)、コントラスト(CON)、相関(COR)、エントロピー(ENT)およびフラクタル次元(D)が視覚的特徴量として測定された。色彩テクスチャの鮮やか-くすんだ、澄んだ-濁った、柔らかい-硬い、強い-弱い、温かい-寒い、軽い-重いおよび明るい-暗いの感情がどちらかの語を選ぶ方法にしたがって、官能評価された。官能評価値と視覚的特徴量との関係が検討された。因子分析の結果から、動的感はVARおよびCORと、軽さ、強さ、柔らかさおよび明るさはAVEと関係することがわかった。
  • 前川 昌子, 梁 善美
    2008 年 59 巻 6 号 p. 387-392
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/29
    ジャーナル フリー
    3種の市販ブリーチ剤を用いて毛髪の脱色処理を行ったところ,酸化剤,アルカリ,過炭酸ナトリウムなどブリーチ剤の含有成分の違いにより脱色効果に大きな差があることがわかった.そこで, 主要な酸化剤成分である過酸化水素を用いて処理液のpHを変化させて漂白実験を行い,脱色効果と強伸度, 表面形状の変化に対するpHの影響を検討した.その結果,pHが9以上で大きくなるにつれて脱色効果は大きくなるが,一方で高いpHでは毛髪の強度低下と表面の損傷が起こることがわかった.また,過炭酸ナトリウムは過酸化水素にアルカリを加えて行った結果よりすぐれた脱色効果を示し,毛髪の損傷も幾分抑えられることが示唆された.
  • 大村 知子, 山内 幸恵, 平林 優子
    2008 年 59 巻 6 号 p. 393-402
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/29
    ジャーナル フリー
    人体の動作により衣服にはひきつれやだぶつきといった着くずれが生じる.本研究では,姿勢変化の過程における人体とパンツの軌跡を三次元動作解析システムにより捉え,動作により人体とパンツがずれるプロセスの解明を試みた.また,ずれの量や方向についてパンツ別,被験者別,動作別に比較を行った.主な結果は次のとおりである.(1)ずれの量は開口部で大きく,ずれは皮膚の伸展の大きい部位に向かって生じた.(2)ずれはアンクルラインやニーラインなど衣服にゆとりが多い部位で先に生じ、それからウエストラインなど衣服のゆとりが少ない部位で徐々に生じる傾向にあった.また,ずれは水平方向や横方向へ先に生じ,その後に垂直方向に生じる傾向にあった.(3)股上が浅く,ゆとりの大きいパンツは,後ウエストラインにおいて下方へのずれの量が大きかった.立位から蹲踞への動作では立位から椅座への動作よりウエストラインにおいて後方へのずれの量が大きかった.また,ずれの量や方向は被験者の着衣の仕方や好みに影響を受けた.
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