2020 年 71 巻 9 号 p. 574-588
目的 学校給食を通じた教育活動の研究レビューを行い, 今後の研究課題を明らかにする.
方法 2018年10月, 論文検索サイトCiNiiとJ-STAGEにて「給食」と9つのキーワードのAND検索を実施し, 2005年以降に出版された学術論文計259本が検出された. そのうち教育対象者が小学生, 中学生, 高校生 (特別支援学校生, 定時制高校生を含む) のいずれかである文献166本を対象とした.
結果 対象文献を教育実践関連研究37本 (うち教育実践研究22本), 調査研究101本, 論考28本に分類した. 教育実践研究は全体の13%ほどで少なかった. 教育実践研究においては, 給食への興味・関心の高まりや給食時間中の楽しさ, 豊かな人間性に関する教育効果が検討されていた.
結論 給食を通じた教育活動の今後を議論するためにも, 給食が関わる教育実践研究や, 給食時間及び給食が関わる教育活動において児童生徒が何を学び得ているのかを詳しく調べる調査研究の蓄積が期待される.