フードリテラシーに関する研究の国際的動向を明らかにすることを目的とし, 2001年から2019年に発表された86件の文献を調査した. フードリテラシーをタイトルに含む文献の発表数は, 2016年以降毎年増加し, 2019年は22件/年と過去最多であった. フードリテラシーに関する調査研究は, オーストラリア, カナダ, アメリカにおいて実施されているケースが多かった. フードリテラシーに関する文献は6タイプに大別され, 2010年以前はフードリテラシーの概念や教育プログラムの実践に関する文献が主であったが, 2016年以降になるとフードリテラシーの実態や関連因子に関する文献も増加していた. 一方, フードリテラシーの評価尺度の開発や教育プログラムの実践と評価に関しては未だ研究の少ないことが明らかとなった. フードリテラシーの定義は多様であり, Vidgen & Gallegos (2014) の文献は被引用数が特に多かったが, 研究の対象や視点によってフードリテラシーは様々に捉えられていた. フードリテラシーの構成要素は多岐にわたり, かつ相互に関連していることが示唆され, フードリテラシーの構成要素を体系的に指導するカリキュラムの開発・実践・評価の必要性が示唆された.