2022 年 73 巻 11 号 p. 645-654
本研究の目的は, 高齢者のヘルスリテラシー (HL) の特徴を捉え, HLと生活習慣の関連について明らかにすることである.
1都3県65歳以上の高齢者200名を対象として, 2021年9月に横断的なWeb調査を実施した. 調査内容は, 基本属性, Communicative and Critical Health Literacy, 主観的健康感, 日常生活の心掛け, 生活習慣などである.
ヘルスリテラシーの高低により2群に分けて分析を行った. CCHL得点は, すべての項目において高HL群の方が有意に高かった (p<0.001). 高HL群は, 主観的健康感 (p=0.008), 生活の満足感 (p=0.002), 休養の心掛け (p=0.009), 栄養バランス (p<0.001), 散歩やスポーツ (p<0.001) 等の日常生活の心掛け, 食品摂取の多様性得点 (p<0.001), ソーシャルサポート (p<0.001) が有意に高く, 健康に関する情報収集の方法が能動的であった.
HLが低い高齢者は情報の入手段階からの配慮が必要であり, これらのことを踏まえた事業や教育, 教室の実施が必要である可能性が示された.