2022 年 73 巻 4 号 p. 187-198
和食文化の伝承を推進していくためには, 幼少の頃から行事食を経験することが必要であると考え, 兵庫県内の保育所 (園) での行事食の継承への取り組み状況, 管理栄養士・栄養士配置の有無との関連および地域での取り組み状況について研究した.
保育所 (園) では, 「正月」, 「節分」, 「桃の節句」, 「七夕」, 「クリスマス」の行事食の実施率が高かった. 一方で, 「土用の丑」, 「大晦日」の行事食の実施率が低かった. また, 都市部では, 行事食の実施率が低かった. さらに, 管理栄養士・栄養士が配置されている園の方が, 行事食に対する取り組みが積極的であることが明らかとなった. 以上のことから, 管理栄養士・栄養士が積極的に行事食を食する機会を設けることで, 保育所 (園) での行事食の継承への取り組みを活発化し, 日本人の伝統的な食文化を次世代に伝える機会にすることができると考える.