日本家政学会誌
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透明シート被覆による布帛上タンパク質直接定量法の高感度化
塚崎 舞森田 みゆき米山 雄二
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2022 年 73 巻 4 号 p. 199-205

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抄録

 繊維基質に付着したタンパク質を直接定量する方法を, BCA反応を利用して検討した. 試験布に布湿潤水, タンパク質 (ウシ血清アルブミン) 溶液, BCA溶液を添加し, その試験布をポリエチレン製シートで挟み, 空気との接触を避けた. 所定時間後, 試験片の表面反射率をシートの上から測定し, BCA反応による紫色の着色度合いを把握した. 2.5 cm×2.5 cm綿布片上でのBCA反応は, 25℃, 水8.0 μL/cm2, タンパク質溶液4.8 μL/cm2, C液16 μL/cm2の条件下で十分に反応することがわかった. さらに, タンパク質濃度0.96~14 μg/cm2の範囲と表面反射率から得られたK/S値の検量線は, 相関係数R2=0.9974であり, 良好な直線性を示した. 従来法と異なり, 検量線の傾きが大きいため感度の良い定量が可能となった.

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© 2022 一般社団法人 日本家政学会
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