2022 年 73 巻 6 号 p. 321-329
【目的】高齢者を対象として① COVID-19による緊急事態宣言期間中 (2020年4月7日~5月21日) における生活習慣状況, 主観的健康感, 心理状況, 食品摂取行動の現状を把握すること, ②緊急事態宣言期間中の主観的健康感とその他の因子との関連性について検討することを目的とした.
【方法】大阪府S市近郊に在住の高齢者129名を調査対象者とし, 緊急事態宣言期間中及び期間外における生活習慣状況, 主観的健康感, 心理状況 (抑うつ状況), 食品摂取状況について自記式アンケートを実施した. 解析対象者は111名 (60歳以上70歳未満が15名 (13.5%), 70歳以上80歳未満が75名 (67.6%), 80歳以上が21名 (18.9%)) であった.
【結果】緊急事態宣言期間中に地域の知人や友人と交流する機会が週1回以上あった者は36.4%であり, 健康だと思っていた者は83.8%であった. 緊急事態宣言期間中に規則正しい食生活や運動, 生活のリズムを整えることができていた者はできていない者と比較し, 有意に主観的健康感が高かった. また, 緊急事態宣言期間中に抑うつ状態で無かった者も有意に主観的健康感が高かった.
【考察】緊急事態宣言期間中においても平時と大きな変化なく生活していたこと, 週2回以上の運動も実施できていたことが自己効力感を高め, 主観的健康感向上に繋がったと考えられた. 緊急事態宣言期間中における高齢者の生活を調査し, 把握できたことより, 今後の健康づくりへの支援に繋げていきたい.