2023 年 74 巻 3 号 p. 129-139
本研究は, 「コロナウイルス感染症流行時における大学生のマスク着用と日常生活の変化との関連性」について日韓の比較を明らかにすることを目的とした. 標本数は日本252名, 韓国241名の計493名である.
(1) 日韓の比較では27項目中19項目に有意差が認められた. このうち, 5項目 (p<.001, t検定) は日本の平均値が高く, 11項目 (p<.001) は韓国の平均値が高かった. (2) 「マスク着用理由」は, 日韓共に「COVID-19感染予防」と一致していた. 次いで, 日本は「他人の社会的視線が気になる」, 韓国は「メディアから勧められたから」であった. (3) 日本では使用後のマスクを洗濯後再利用し, プリーツマスクが好まれていた. 韓国では2~3日使用後のマスクは捨てる割合が高く, 立体マスクが好まれていた. (4) 共分散構造分析の結果, モデルの適合度は (韓国 : GFI=.934, AGFI=.902, RMSEA=.060) (日本 : GFI=.952, AGFI=.926, RMSEA=.045) となり, 当てはまりの良さが示された. (5) 韓国人データを用いて構造方程式モデリング (SEM) を行った結果, 『日常生活への変化』が『危機意識』に正の影響を及ぼしていたが, (危機意識が) 『社会との距離』とは関連性が認められなかった.
以上より, 日韓共に女性が男性よりCOVID-19への対応が慎重であり, 性別の違いが明らかになった.