家政学雑誌
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マルチットシラップのカスタードプディングへの利用 (第1報)
プディングの性状, 嗜好性におよぼす材料配合比と加熱条件の影響
和田 淑子宮川 和子
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1980 年 31 巻 7 号 p. 481-488

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抄録

蔗糖のかわりに同甘味のマルチットシラップを使用して, カスタードプディングを調製する場合の適切な材料配合比と加熱条件を検討した.
1) 鶏卵100に対して, 牛乳量165, 220, 275, 糖量35, 60, 85の三元配置法による材料配合では, マルチットプディングが蔗糖プディングに比べて, 硬さ, 破断強度ともに小さく, 歪み率は大となった. また, ゲルからの分離液量も多い傾向を示した.
2) 普通加熱 (85℃, 18分蒸し加熱) と高温短時間加熱 (ガス量6l/分, 3分蒸し加熱, 余熱5分利用) のゲルの性状を比較した. 蔗糖プディングは両加熱による性状に顕著な差はみられなかった. 一方, 糖量の多いマルチットプディングは, 高温短時間加熱がゲルの凝固を促進し, 歪みも小さく, 分離液量の少ない性状の良好なゲルとなり, 調理能率の点からもきわめて合理的な加熱法であった.
3) 官能検査の結果から, マルチットプディングの良好な材料配合比は鶏卵22%, 牛乳48%, マルチット 30%である. これは蔗糖で良好な配合比をもつプディングに比して, 約50%のエネルギー低下となる.

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