日本家政学会誌
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凍結乾燥ヤマノイモのかるかん原料適性
新井 貞子阿久澤 さゆり澤山 茂川端 晶子
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1996 年 47 巻 10 号 p. 987-996

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抄録

ヤマノイモ3種, ナガイモ, イチョウイモ, ツクネイモの生イモおよび凍結試料でかるかんを調製し品質を検討した.
(1) 生地比重とかるかん製品の膨化率は, 相関係数-0.960で負の相関が認められた.ナガイモは生イモ, 凍結試料ともに膨化が小さく, イチョウイモ, ツクネイモは大きかった.
(2) かるかん断面の画像解析から生イモは気泡の分布が広く, 凍結試料は気泡の小さくなる傾向が認められた.
(3) 機器測定値と官能評価の分析型 (食味特性の強弱) における評価と良く対応した.ナガイモは硬く, 付着性が高く嗜好型 (好き・嫌い) の評価点は低かった.
(4) かるかんの品質を総合的に評価する食味特性は, まずテクスチャーであり, 次いで外観, 食味の順である.官能評価で高い評価を得るかるかんの食味特性は, 大きくふくらみ, かわいた感じで, 軟らかいことであり, 凍結試料イチョウイモが最も高い評点を得た.
(5) イチョウイモとツクネイモは生イモ, 凍結試料ともに試料間に有意差は認められず, いずれもかるかん原料として適性の高いことが示唆された.

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