日本家政学会誌
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家族の中ジェンダー・エクイティ
Francille M. FIREBAUGHKyle L. SNOW
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1997 年 48 巻 1 号 p. 81-90

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抄録
家族におけるエクイティとジェンダーの課題は, 工業国で注目されている.男女の役割の指標には, 意思決定と労働配分と資源管理の3つがあげられるが, 労働配分に注目すると, アメリカの雇用者夫妻の調査では, 性差が見られる.また有給の労働では, 女性はライフコースや子どもの有無, 教育水準に左右される.
国によっても相違し, バングラディッシュでは夫は大農地を所有し, 妻は家庭内生産を受け持つ。トルコでは高等教育を受けている場合は平等である.中国では家庭内の義務は平等にシェアーしている。日本では明治以来「良妻賢母」教育が行われ, 「男は仕事, 女は家庭」と考える人が, US.と比較すると多くなっている。こうした文化の相違が, 労働参加の相違ともなっている.
これらの国に比べれば, 北米では上に記した男女の相違にもかかわらず, 家庭内の男女の役割配分は平等へと変化し, 伝統的な意識は薄れ, 家族の収入においても女性の貢献は大きくなりつつある.なお, それぞれの国でも確実に変化しつつあるといえよう.
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