抄録
日本では、毎年約15,000人が子宮頸癌(上皮内癌含む)と診断され、約3,500が死亡している。そのうち、44歳までに約400人が死亡している。20代30代の女性に限ればもっとも罹患率が多い癌は子宮頸癌であり、増加傾向が続いている。
日本の現状の問題点は(1)検診受診率が低い(2)従来法細胞診での診断が続いている(3)HPV予防ワクチンの接種の遅れである。日本産婦人科医会は子宮頸がんの撲滅をめざして、(1)ベセスダシステム(TBS)の導入(2)液状化検体細胞診(LBC)の導入(3)HPV併用検診の導入(4)HPV予防ワクチンの積極的な勧奨の再開(WHOやFIGOは再度安全宣言を出している)(5)受診率の向上を目指している。今回はTBS、LBC、HPV併用検診とワクチンに関するトピックスについて解説する。