総合健診
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総説
総合健診・人間ドック草創期からの歴史に学ぶ精度管理の重要性
高木 重人萎沢 利行
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2018 年 45 巻 6 号 p. 742-748

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抄録

 人間ドックは、入院して全身の精密検査を行うことを目的として1954年に開始された。1959年に健保組合を通じて指定病院を紹介する制度が導入されたことにより、一般国民にも容易に受診が可能となり広く普及した。総合健診は、短時間に多数の受診者の健診を実施する自動化健診システムとして1960年代に米国で開発された。日本では1970年より開始されたが、半日で人間ドックと遜色の無い検査内容が受診できる手軽さと、人間ドック同様に優良施設を指定する制度が開始されたことから受診者数が急増した。自動化健診システムの普及にあたって、検査結果の正確性が大前提であったことから、精度管理事業は日本総合健診医学会創設当初からの主要な事業に位置づけられている。今日「日帰り人間ドック」「外来ドック」などの名称で、さまざまな施設で総合健診が実施されているが、「短時間で多数の受診者に正確な結果を提供する」自動化健診システムの理念と、それを裏打ちする精度管理の重要性が、総合健診・人間ドック草創期からの歴史を振り返ることで改めて認識できる。

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© 2018 一般社団法人 日本総合健診医学会
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