総合健診
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健診での採血に伴う合併症頻度についての検討─採血部位および使用針による違い─
小笠原 翼佐藤 ひとみ菅原 由紀江奥山 千佳子後藤 敏和菊地 惇
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2021 年 48 巻 2 号 p. 243-247

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抄録

 健診時の採血においても合併症は発生する。採血部位別、使用針別に合併症頻度を検討し、より安全な採血方法を探った。対象は2018年4月から12月まで、当センターを受診した 52,830人で、採血部位(橈側皮静脈、肘正中皮静脈、尺側皮静脈)別、使用針〔採血針(ホルダー採血用の両方向直針)、翼状針、注射針(注射器採血に用いる直針)〕別に合併症の頻度を比較した。全体の合併症は0.17%、採血部位別では、橈側19/12,663例(0.15%)、正中39/31,025例(0.13%)、尺側29/8,227(0.35%)で、橈側と正中では差を認めず、尺側で橈側(p<0.01)、正中(p<0.001)に比し有意に多かった。針別には、採血針14/11,792例(0.12%)、翼状針70/39,371例(0.18%)、注射針9/1,667例(0.54%)で、採血針と翼状針の間に差は無かったが、採血針と注射針(p<0.001)、翼状針と注射針(p<0.001)の間には有意差を認めた。合併症の種類は、痛みが37.2%と最多で、内出血・腫れが28.7%、血管迷走神経反応が24.5%、痺れが9.6%だった。神経損傷が疑われる合併症(痛み・痺れ)に比し血管合併症(内出血・腫れ)は、より年齢の高い層に多い傾向にあったが、血管迷走神経反射は若年層に多く発生した。翼状針は成功率が高く合併症が少ないとされているが、今回は直針との間に差を認めなかった。以上の結果より、当センターでは、翼状針の使用を推奨し、採血部位は尺側皮静脈を避け、目視で良好な橈側、肘正中皮静脈については直針の使用も可能とした。

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© 2021 一般社団法人 日本総合健診医学会
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