総合健診
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症例報告
SARS-CoV-2抗体価(S抗体)測定時にプロゾーン現象を生じた症例
赤塚 貴紀野口 直樹出沢 舞西園 明将横山 智央
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2022 年 49 巻 6 号 p. 615-617

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抄録

【目的】ワクチン接種後の抗体価評価を行う事で、患者・健診受診者への情報提供及び、疫学的評価を目的とし検査を行った。プロゾーン現象を呈した臨床からの報告例は少なく、抗体測定における注意喚起を行う価値が高いと判断したため報告とした。

【対象】健診センター受診時に、検査でプロゾーン現象により偽低値を示した2例。

【方法】研究プロトコールは厚生中央病院倫理委員会で承認された (承認番号:2022-01)。測定装置:コバス8000 (ロシュ・ダイアグノスティックス)、測定試薬:Elecsys Anti-SARS-CoV-2S (300) RUO (ロシュ・ダイアグノスティックス) を用いて抗体価を測定した。また希釈系列 (1倍、10倍、100倍、200倍、400倍、900倍) を作成し検討した。

【結果】症例1では1倍 (157) であったが、10倍、100倍ではレンジオーバーとなりプロゾーン現象を認めた。症例2では1倍 (212) であったが、10倍、100倍、200倍で同様の現象を認めた。

【結語】抗体価低値の場合は再検査による精査が重要であると思われた。

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© 2022 一般社団法人 日本総合健診医学会
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