2024 年 51 巻 2 号 p. 215-223
近年AIは様々な分野で活用され、医療においては特に画像診断支援領域でのAIが注目を集めている。消化管内視鏡領域でも社会実装が進んでおり、上部消化管領域では食道、胃の腫瘍性病変検出のAIが、下部消化管領域では大腸ポリープの検出や鑑別のAIが既に実臨床で使用されている。特に大腸ポリープ検出支援AIは複数製品が上市されており、リアルワールドでのAIの性能結果も徐々に明らかになってきている。本邦では消化管がん検診として、胃がんの内視鏡スクリーニングが施行されており、検査精度向上が報告されているが、今後内視鏡AIを用いることで、胃がん内視鏡検診の更なる精度向上が期待される。本稿では、各種内視鏡AIの現状と今後の展望について概説する。