総合健診
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日本人女性の無症候性の子宮筋腫と未産・高血圧・肥満との関連性について
佐藤 文男新井 正橋口 和生
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: 2024-31

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抄録

【目的】日本人女性の無症候性の子宮筋腫と未産・高血圧・肥満との関連性を調査すること。

【対象と方法】対象者は当人間ドック健診センターを2021年4月から2022年3月までの期間に受診された日本人女性で、経腟超音波検査にて子宮筋腫を持つ女性と子宮筋腫を持たない女性の2つのグループに分け(対象者数各1,286人、総数2,572人)、それぞれの出産回数、血圧値(mmHg)、body mass index(BMI)(kg/m2)による比較検討を行なった。

【結果】子宮筋腫を持つ女性と子宮筋腫を持たない女性との比較ではそれぞれ、出産回数0回は22.9% vs 11.6%、p<0.001、高血圧は22.4% vs 12.9%、p<0.001、BMI 25.0-29.9kg/m2 すなわち肥満(1度)は14.8% vs 10.9%、p=0.004であった。ロジスティック回帰分析ではオッズ比、95%信頼区間はそれぞれ、出産回数0回は2.74、2.04-3.67、p<0.001、高血圧は1.43、1.16-1.76、p<0.001、BMI 25.0-29.9 kg/m2 は1.30、1.02-1.66、p=0.035であった。

【結論】当センターを受診された日本人女性の無症候性の子宮筋腫を持つ女性と持たない女性との二つのグル-プの比較によれば、子宮筋腫を持つ女性には未産の女性、高血圧の女性、肥満(1度)の女性が多かった。

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